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フランソワ・トリュフォーの名前を知っていたり、これからトリュフォーの作品を観たいけど、どの作品を見れば良いかわからないと迷っておられませんか?
今回はフランソワ・トリュフォーという人物について簡単に紹介したあとに、トリュフォーの代表作を5つご紹介したいと思います!
フランソワ・トリュフォーってどんな人?
監督名 | フランソワ・トリュフォー(François Roland Truffaut) |
本名 | フランソワ・ローラン・トリュフォー |
生年月日 | 1932年2月6日(享年52歳) |
出生地 | フランス・パリ |
受賞歴 | 第12回カンヌ国際映画祭(1959)監督賞受賞『大人は判ってくれない』 第46回アカデミー賞外国語映画受賞(1974)『アメリカの夜』 |
孤独な少年時代
トリュフォーはパリで生まれ、両親が離婚してからは孤独な少年時代を送りました。
親によって感化院に何度も入れられる問題児で、学業を放棄して映画に夢中になります。
シネマテークやシネクラブ・デュ・カルチェ・ラタンなどに足繁く通い、自身でシネクラブを立ち上げるまでに。
アンドレ・パザンとの出会い
15歳のとき、映画評論誌『カイエ・デュ・シネマ』の初代編集長となるアンドレ・バザンと出会い引き取られることになり、バザンとは親子同然の生活を送り始めます。
失恋のショックから軍に入隊しようとしましたが、インドシナ戦線に送られることを避けて脱走。逮捕されて軍刑務所に投獄された際も、バザンが保護者となり救い出してくれました。
『カイエ・デュ・シネマ』誌での批評家デビュー
パザンの勧めにより、20歳の頃から『カイエ・デュ・シネマ』誌で批評を執筆し始めます。
また、ロベルト・ロッセリーニの助監督も務めるようになり、自身でも短編作品を撮っていきます。
初の長編作品でカンヌ国映画祭監督賞受賞
1959年トリュフォー27歳の時、初めての長編作品『大人は判ってくれない』がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞する快挙をなし、ジャン・コクトーらから絶賛を受けるなど、トリュフォーは一躍時の人に。
『大人は判ってくれない』で主人公のアントワーヌ・ドワネル役を演じたジャン=ピエール・レオはトリュフォーの分身とされ、それ以降の作品でも同じ名前で出演し続けます。
盟友・ゴダールとの決別
トリュフォーを紹介する上で欠かせない存在が ジャン=リュック・ゴダール。
ゴダールが映画監督としての名声を得るきっかけとなったのが『勝手にしやがれ』(1960) という作品ですが、その脚本を担当したのはトリュフォーでした。
トリュフォーとゴダールはお互いを讃え合い、尊敬し合う仲でしたが、ある事件がきっかけで決別に至ります。
それが、カンヌ国際映画祭粉砕事件で、トリュフォーやゴダールが共闘して、カンヌ国際映画祭の中止を訴えるデモを起こした事件です。特にトリュフォーは最前線に立って猛抗議しました。
しかし、その事件があった頃から政治志向が強まるばかりのゴダールと、芸術に政治を持ち込んではいけないと考えるトリュフォーとの間で意見の食い違いが見え始め、完全に仲違いしてしまいます。
晩年
ゴダールが商業映画を捨て、革命的な映画を作り続けていく一方で、トリュフォーは商業映画の枠組みの中で映画を撮り続けます。
晩年の代表作『アメリカの夜』はアカデミー賞の外国語映画賞を受賞。
また、スティーブン・スピルヴァーグからオファーがあり、『未知との遭遇』で科学者役として重要な役を演じました。
しかし、1984年10月21日脳腫瘍によってこの世を去ります(享年52歳)。ゴダールはトリュフォーの葬列に参加しませんでしたが、ゴダールはこんな言葉を残しています。
「フランソワは死んだかもしれない。わたしは生きているかもしれない。だが、どんな違いがあるというのだろう?」
トリュフォー作品の特徴
- 自身の少年時代が反映されている
- 愛を描いた作品が多い
- 枠に囚われない自由な作風
自身の少年時代が反映されている
代表作『大人は判ってくれない』を始め、トリュフォー作品は自身の少年時代に影響を受けた作品が多いです。
それほど少年時代はトリュフォーにとって自身の人生を決定づけるものであり、孤独でありながらも、映画とつながるきっかけでもありました。
愛を描いた作品が多い
トリュフォー作品には子供や家庭を描いた愛が深く関わるテーマが多く、トリュフォーは愛のシアネストと呼ばれることがあります。
また、作品だけでなく、トリュフォーは出演者たちや周囲の関係者への愛も強く、誰からも愛される存在でした。
枠に囚われない自由な作風
ヌーヴェルヴァーグを牽引した人物なだけあり、作風は自由で枠に囚われず、独創的な作品を作り続けました。
そして「アントワーヌの冒険」シリーズをはじめとする独自の世界観をつくり上げていきました。
フランソワー・トリュフォーの代表作5選
大人は判ってくれない
トリュフォーの初の長編作品である「大人は判ってくれない」はヌーヴェルヴァーグ作品の中でも特に評価が高く、詩人のジャン・コクトーが絶賛し、カンヌ国際映画祭では監督賞を受賞した名作。
自身の少年時代が深く反映されており、子供の大人に対する不条理が辛辣に描かれています。
ジャン・ピエール=レオというトリュフォーの分身とも言える存在が生まれた映画でもあります。
あらすじ
パリの下町に住む十二歳の少年アントワーヌは、学校では教師に叱られてばかり、家庭では両親の口論に耐えながら暮らしていた。ある日、友達のルネと学校をサボったアントワーヌは、街で母親の浮気現場を目撃し、学校をサボったことがバレたその夜には母親が死んだと嘘をつくことに。だが、そのウソがきっかけで彼の人生が一変することとなる。
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突然炎のごとく
アンリ=ピエール・ロシェの同名小説をもとにつくられた作品。
一人の女性に同時に恋した二人の男性の三角関係と数奇な運命を描いています。
自由奔放な女性を演じるジャンヌ・モローの妖艶さに惹きつけられます。
あらすじ
モンパルナスの街で出会ったジムとジュール。ともに文学を愛し、すぐに親友になるが、彼らの前に現れた美しい娘カトリーヌに同時に心を奪われてしまう。しかし、熱烈なアタックを仕掛けたのはジュールの方だった。彼はカトリーヌとの結婚を果たし、祖国に帰ることになる。そして、第一次大戦後、久しぶりに再会したジムは、かつての友から驚きの願いを受ける…
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トリュフォーの思春期
トリュフォーの思春期は思春期(厳密には思春期よりも少し前)の子供達の無垢な姿を映し出した作品。
その年頃の子供達に起こる心の変化と成長をソフトに描いています。
凡庸な日常が映画になる、トリュフォーだからこそ撮れた作品といっても良いでしょう。
あらすじ
フランス中部の平和な街。思春期真っ盛りのパトリックは美容院経営の友人ローランの美人のママに夢中。8歳のシルヴィーは両親との外出を拒んだため、部屋に置き去りに。拡声器を使い、「お腹が空いた!」と外に向かって連呼。思春期の子供たちの愛くるしい姿を映し出す。
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華氏451
レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』が原作の『華氏451』は読書が禁止された世界を描いたSF作品でトリュフォー初のカラー作品です。
SF嫌いなトリュフォーはこの作品でなるべくSF的な要素を省いて撮っています。
ゴダールのSF作品『アルファヴィル』と比較されることが多く、どちらもまったく新しい世界観が楽します。
あらすじ
未来の機械支配された社会で、知識はテレビを通じて統制され、読書は禁止されていた。消防士モンターグは、偶然出会った熱心な読書家クラリスに触発され、禁断の世界への扉を開く。しかし、妻に密告され、自らの家を焼くよう命じられる。
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恋のエチュード
恋のエチュードは19世紀末から20世紀初頭のパリを舞台に、ジャン=ピエール・レオ演じる青年に同時に恋をした二人の姉妹を描いた作品。
どうすることもできない運命と過ぎ去る時の流れの早さが切なくも美しく、胸を打たれます。
あらすじ
クロードはアンヌとの結婚を決意するが、彼女の妹ミュリエルもまた彼に惹かれていた。しかし、運命は彼らを分かつ道へ誘い込む。アンヌは自由な生活を送り、ミュリエルは清貧な生活を選ぶ。再会の瞬間、愛と過ちが交錯し、姉妹の心に傷を残す。クロードは彼らの愛を小説に込め、アンヌは病に倒れる。時は流れ、再びクロードとミュリエルが出会うが、過去の傷跡は消えず…
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愛のシアネスト、フランソワ・トリュフォーの代表作を観てみよう
いかがだったでしょうか。
フランソワ・トリュフォーの波乱に満ちた人生はまさに映画そのもの。
ぜひ今回紹介したトリュフォーの代表的な作品を観て、トリュフォーの愛の世界に浸ってみてください。