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ジャック・タチという人物をご存知ですか?
フランス映画を語る上で、ジャック・タチの存在を無視することはできません。
今回はジャック・タチについてざっくりと簡単に解説したあとに、「これは絶対に観ておくべき」おすすめの作品を紹介したいと思います。
ジャックタチってどんな人?
監督名 | ジャック・タチ(Jacques Tati) |
本名 | ジャック・タチシェフ(Jacques Tatischeff) |
生没 | 1907年10月9日〜1982年11月4日(75歳没) |
出生地 | ル・ペック |
受賞歴 | 第31回米国アカデミー賞外国語映画賞『ぼくの伯父さん』 カンヌ映画祭審査員特別賞『ぼくの伯父さん』 |
ジャック・タチはフランスを代表するコメディ映画の監督兼俳優。
父はロシア人、母はオランダ人として、パリ近郊のル・ペックという地で生まれました。
ル・ペックの位置 ↓(パリから約19km西へ行ったところ)
舞台俳優としてキャリアをスタートし、1931年に俳優として映画デビューしました。
1947年に「のんき大将脱線の巻」で演出や脚本も務め、出演だけでなく監督としてもデビュー。
バスター・キートンやハロルド・ロイドなどが活躍した無声映画時代のようなコメディが話題になり、人気を博していきます。
作品の特徴
- エスプリが効いたシュールな笑い
- 遊び心を忘れてしまった大人への皮肉
- 音や舞台装置へのこだわり
エスプリが効いたシュールな笑い
ジャック・タチの作品はとにかくシュールな笑いが特徴的。エスプリが効いたシュールな笑い
また、フランスらしいエスプリが効いた笑いで、クスッと笑ってしまうようなさりげないお洒落なユーモアが魅力です。
遊び心を忘れてしまった大人への皮肉
ジャック・タチ作品には、特に「子供」に視点を置き、社会のしきたりに従うばかりで遊び心を忘れてしまった大人への皮肉が込められたものがたくさんあります。
ユーモアだけでなく痛烈な社会風刺が込められているところもジャック・タチ作品の魅力の一つです。
音や舞台装置へのこだわり
また、音や舞台装置にこだわりがあるのも特徴で、それらがより一層シュールさをプラスしています。
映画の中のタチ自身はほとんど喋らないことが多く、奇妙な音で笑いを誘われます。
ジャック・タチへの評価
カンヌ国際映画祭やアカデミー賞での功績
コメディ映画といえばチャップリンやキートン、Mr.ビーンなどが有名ですが、ジャック・タチという監督の名前を知っている人は世界全体で半数にも満たないかも知れません。
ですが、映画批評家の中ではよく知られており、今なお映画監督として高い評価を受けます。
一番の代表作『ぼくの伯父さん』はアカデミー賞外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別賞を受賞し、フランス内外ともに人気を得ました。
ヌーヴェルヴァーグの作家たちからも支持を受ける
同じ時代にフランスでヌーヴェルヴァーグという映画運動を起こした監督たち(トリュフォーやゴダール)からも支持を受け、今でも知る人ぞ知るコメディ映画監督のレジェンドです。
では、ジャック・タチ監督作品でも特におすすめの5本を紹介します!
プレイタイム
機械化された現代のパリ(実際には現代よりも近未来的な雰囲気)で、就職面接にやって来たユロ伯父さん。
機械の無機質な音や登場人物たちのマヌケさに笑いを誘われます。
アメリカ人観光客の女性とのちょっとしたロマンスも挟まれており、タチ監督の独特のユーモアが味わえる作品です。
ジャック・タチはこの作品にフランス映画史上最大の巨額の資金を費やしましたが、映画の興行は不振に終わり、多額の借金を抱えてしまいます。それだけこの作品に対して情熱が込められており、現在では人気作の一つとなっています。
あらすじ
機械化された現代のパリ。就職活動中のユロ氏は、一流企業の面接会場で迷子になりながらも、偶然出会った若い女性バーバラとの思い出深い一夜を過ごす。夜のパーティに参加し、直前に完成したばかりレストランは欠陥ばかり。狂宴の果てには破天荒な出来事が次々と巻き起こる。
配信
ぼくの伯父さんの休暇 (1953)
ぼくの伯父さんの休暇はフランスのヴァカンスの地を舞台にジャックタチ監督扮するユロ伯父さんがオンボロ車に乗ってバカンスへやって来て、そこ様々な人々と交流するお話です。
ユロ伯父さん自身はほとんど言葉を話しませんが、ユロ氏の動作に合わせた効果音がなんとも絶妙に面白く、とてもシュールです。
あらすじ
フランスの海辺の宿に、ユロ氏(ジャック・タチ)のポンコツ自動車が突如として現れる。のんびりとしたカタツムリのような車に乗りながら、彼のバカンスが始まる。宿には中年の夫婦、退役軍人、子供連れの母親、カード好きの老人、ロイド眼鏡の株式仲買人など、様々なキャラクターが集まり、ユロ氏の奇妙で楽しい休暇が展開される。彼の行動は時に宿の平穏を乱すが、徐々に他の滞在者たちと親しみを深めていく。
配信
ぼくの伯父さん
ぼくの伯父さんはジャックタチ作品の中で一番の人気を誇る作品であり、アカデミー賞外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別賞を受賞した作品。
自動化された現代的な家に住む甥っ子の遊び相手であるユロ伯父さんが繰り広げる愉快な物語です。
ユロ氏を冷たい目線で見つめる少年の両親に対して、子供達には大人気なユロ氏。遊び心を失った大人や無力な機械への皮肉がたっぷり込められています。
あらすじ
近代的で自動化された家に住む少年ジェラールはユロ伯父さんと遊ぶのが好きで、自宅には関心がなく、ユロ伯父さんと遊ぶのが好きで、いつも外でユロ伯父さんと遊んでいた。ユロ伯父さんは職にもつかず恋人もいないため、心配した姉は隣に住む個性的な独り身の女性とお見合いをさせようとしたり、夫の会社へ就職させようとするが・・・
配信
トラフィック(1971)
トラフィックはジャックタチ監督最後のフィルム作品となった長編5作目。
自動車メーカーのデザイナーとして務めるユロ氏。ユロ氏がデザインしたキャンピンピングカーをモーターショウ出品のため、パリからアムステルダムへの移動中にアクシデントの連続。
筆者が初めてこの作品を観た感想は「カオス」。車同士がこんなにぶつかり合うことあるか、というくらい衝突事故のシーンがかなり印象的でした。
あらすじ
アムステルダムの大規模なモーター・ショーが舞台。フランスの名門、アルトラ社が誇るユニークなキャンピング・カーを展示するため、社長の息子は友人にマリアを指名。しかし、トラックのトラブルに見舞われ、国境を突破する騒動に巻き込まれてしまう。警察に取り調べられる中、ユロのクリエイティブな車に感心する警察官たち。修理の遅れや新たなトラブルに見舞われながらも、一行は笑いに満ちた旅を続ける。
配信
ジャックタチ映画の世界観を味わってみて
いかがだったでしょうか。今回はフランスを代表するジャック・タチのおすすめ作品を紹介しました。
ジャックタチの作品はフランス的な笑いに満ちており、フランスの笑いの文化やツボを理解するのにぴったりです。
中でも今回紹介した作品は特におすすめなので、ぜひ一度ジャック・タチの世界を味わってみてください。